日本とアジアの大東亜戦争

侵略の世界史を変えた大東亜戦争の真実

吉本 貞昭 著 2013.09.26 発行
ISBN 978-4-89295-965-3 C0021 A5並製 168ページ 本体 1400円


もっと日本が好きになる・親子で読む近現代史シリーズ

教科書には書かれていない、「本当の歴史」が、ここにある──なぜ戦争は始まった
のか。本当に勝利したのは誰なのか。この一冊で、「大東亜戦争」のすべてがわかる!
15世紀から500年も続いた、西欧列強による植民地支配。この、白人による植民地支配に
従わない国が、極東にひとつだけあった。それが、わたしたちの祖国、日本である──。


はじめに

日本とアジアの大東亜戦争

今から、ちょうど68年前に、日本が連合国(日本と戦争をしていたアメリカやイギリスなどの国々)に降伏(戦争に負けて相手にしたがうこと)したあと、日本人と同じ有色人種(白人以外の人種)の独立国家がアジアやアフリカにたくさん誕生したが、それらの国々は、今や世界の経済や政治の動きに大きな影響を与えるようになり、また地球環境の問題を考える上でも無視できないものとなっている。

しかし、わが国の学校では、いまだにアジアとアフリカの独立と発展に影響を与えた日清戦争、日露戦争、大東亜戦争の姿を子供たちに正しく教えていない。

日本では、毎年夏になると、戦前の日本や大東亜戦争を悪者にした番組をさかんに放送するが、その見方は、とても正しい姿を伝えたものとはいえない。

日本のテレビや新聞が靖国問題(戦争で亡くなった人をまつっている靖国神社の参拝をめぐる問題)や戦争責任(戦争の責任はだれにあったのかという問題)を報道する場合でも、外国の言いぶんに左右されない公平な報道が必要なのだが、日本では、かつて敵だった国の言いぶんだけが独り歩きしてしまい、自分たちの言いぶんを報道してこなかった。これでは、日本が果たした歴史的な役割が消されて、あの戦争で命をおとした日本兵の死が無駄になってしまうだろう。

実は、日本が68年前に西欧列強(ヨーロッパの、強い力を持った国々)と戦った戦争は、過去500年間にわたる白人の世界支配を打ちこわした戦争であったが、この戦争は、もともとアメリカのルーズベルト大統領が日本に対しておこなった経済制裁(経済の力で罰を与えること)という挑発的な(わざと相手がそうするようにしむけるような)行為が直接的な原因となって起こった戦争であった。

しかし、このような戦争が起こった原因を知るには、今から600年前の15世紀の時代にまでさかのぼって世界の動きを見なければ、この戦争の本当の原因を理解することはできないのである。

15世紀、イタリアの航海者コロンブスによるアメリカ大陸の発見は、白人を中心とした西欧列強の世界支配の始まりであった。やがて西欧列強は、それから500年にわたって、アメリカ大陸のインディオ、アフリカ大陸の黒人、そして、日本人と同じアジア地域に住む東南アジアの人々に対して、ひどいやり方で、多くの人々の命を奪い、金もうけをした。そのことで、19世紀末までに、それらのほとんどの民族が白人の植民地(ある国の海外移住者によって、政治経済的に支配された地域)の中に組みこまれていったのである。

このことは、言いかえれば、それまで別々だったヨーロッパとアジア、アフリカ、アメリカの歴史が、15世紀から一本の流れにまとまるようになったということになる。

しかし、このような世界の流れの中で、白人の植民地支配に従わない国が極東(ヨーロッパから見て、最も東にある地域、という意味)にひとつだけあった。それが、わたしたちの祖国、日本である。

日本は、この西欧列強の侵略(力ずくでほかの国の領土を奪うこと)に対抗するために明治維新をおこなって、226年間も続いた鎖国体制(一部の国をのぞいて、ほかの国と交流しないこと)を終わらせると、明治22(1889)年に、大日本帝国憲法(明治憲法)を発布して、強い軍隊をつくり、わずか20年たらずで、アジアでいちばん近代的な国に生まれ変わった。

こうして、日本は、やがて朝鮮半島をねらうロシア帝国(のちのソ連=ソビエト連邦)の侵略をふせぐために、日清戦争と日露戦争を戦って、最後にはほかの西欧列強も相手にして大東亜戦争を戦うのである。

しかし、日本政府は、アメリカ軍によって広島と長崎に原爆を落とされたことと、ソ連の参戦(戦争に参加すること)によって、これ以上、戦い続けることは無理だと考えた。

このため日本政府が昭和20(1945)年8月15日に、アメリカ、イギリス、中国、オランダ、フランスなどの連合国に降伏すると、フランス、イギリス、オランダの軍隊は、ふたたびアジアの国々を侵略しにやってきた。

しかし、これをやっつけて追いはらったのは、日本軍が現地でつくった独立義勇軍(その国の人々が植民地支配と戦い、独立を勝ちとるための軍隊)とともに戦った日本兵であった。

このように、アジアの国々の独立戦争を助けた日本は、たとえ敵に降伏したとはいえ、西欧列強の植民地支配を打ちこわし、世界史の流れを大きく変えることに力をつくした国であることは、まぎれもない事実なのである。

本書のコラムC(152ページ)に、大東亜戦争と日本を讃えたアジアの指導者の言葉を紹介したが、ここからも、大東亜戦争は、わが国の歴史教科書にあるようなアジアで悪いことをやった戦争ではないことがわかるだろう。

この大東亜戦争によって、戦後、アジアのいたるところで多くの国々が、長いあいだ苦しめられてきた西欧列強の植民地支配から解放されて発展をとげたこと、そして日本がそれらに力をつくした国であることに対して、日本人は、もっと大きな自信と誇りを持つべきなのである。

日本の未来をになう子供たちが、この本を読むことによって、西欧列強の侵略から日本とアジアを守ろうとした、当時の日本人の勇気と努力、そして国民としての義務と責任感を学んでもらえればと思うしだいである。


平成25年5月27日(海軍記念日にて)

吉本貞昭



※小学生にも読めるように、本文中のほとんどの漢字にはルビを振ってあります。
 また、難解な言葉にはその下にその意味を記入しています。





目次


はじめに


第一章 西欧列強の世界支配はこうして始まった

一 西欧列強による植民地支配の始まり
   ──「大航海時代」は「大侵略時代」?
二 西欧列強による南アメリカ大陸の侵略
   ──奴隷貿易とスペインの「征服者」たち
  ●コラム@ スペイン人の蛮行を告発した聖職者ラス・カサス


第二章 アジアを侵略した西欧列強と日本の明治維新

一 西欧列強によるアジア侵略の始まり
   ──インドを植民地にしたイギリス
二 西欧列強のアジア侵略に対抗した日本
   ──明治維新で日本を近代化せよ
三 朝鮮を清国の支配から独立させた日清戦争
   ──日本の勝利と、しのびよる大国ロシアの影
四 朝鮮をロシアの侵略から守った日露戦争
   ──日露戦争の勝利で、世界を驚かせたアジアの小国・日本
  ●コラムA ステッセル中将の命を救った乃木大将の武士道


第三章 アジアの解放と独立を助けた大東亜戦争

一 日本はなぜ大東亜戦争に突入したのか
   ──中国大陸をめぐる陰謀と、追い詰められた日本
二 大東亜戦争とアジアの解放
   ──南方資源地帯の戦いと、真珠湾攻撃の真実
三 アジアの各地に独立義勇軍をつくった日本軍
   ──陸軍中野学校の「秘密戦士」たち
四 日本軍政と興亜訓練所の開設
   ──アジアの青年たちへの教育と訓練がアジアの未来をつくった
五 大東亜会議の開催
   ──東京に集まったアジア各国のリーダーたち
六 日本の敗戦
   ──ミッドウェー海戦の失敗と、神風特攻隊の戦果
七 インドを独立に導いたインパール作戦
   ──自由と独立のために立ち上がった人々
八 アジアの独立戦争に参加した日本兵
   ──戦後も、アジア解放のために戦った日本兵たち
  ●コラムB アジアの国々から勲章をもらった日本兵


第四章 侵略の世界史を変えた大東亜戦争

一 大東亜戦争の世界史的意義とは何か
   ──世界史の流れを変えた大東亜戦争
二 大東亜戦争の真の勝利国は日本である
   ──「アジアの独立」を勝ちとった大東亜戦争
  ●コラムC アジアの国々の指導者が語る大東亜戦争の真実


     おわりに
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