『夕刊フジ』2015年8月15日付
“日本人が誇れる”歴史書の誕生 吉本貞昭(著)「世界史から見た大東亜戦争」
「アジアに与えた大東亜戦争の衝撃」というサブタイトルが付いている本書は、大東亜戦争の終結後、アジアに巻き起こった民族独立戦争に視点を当て、大東亜戦争の意義を再検証している。70年前の日本の敗戦とともにアジア各地で起きた「第2次大東亜戦争」とも言うべき、各民族の独立運動。それを陰から支援した陸軍中野学校出身者たちの知られざる活躍など、従来の歴史理解では見えてこない歴史の真実が明らかになる。
夏になると日本の一部メディアは、中韓と足並みをそろえた反日的な見方で、戦前の日本や「大東亜戦争」を悪として回顧する。この一方的な歴史理解を決定づけたのが、終戦50年の村山富市元首相による「大東亜戦争はアジア諸国に対する侵略」とする、歴史に禍根を残す談話だ。
本書は、アジアが西欧列強に食い荒らされていた幕末日本の明治維新から、日清、日露の戦争、そして大東亜戦争を経て、インド国民軍、ビルマ独立義勇軍、ジャワ防衛義勇軍など、アジア各国の独立運動と日本との深い関わりを詳述。戦後の第2次大東亜戦争によって、アジア各民族が独立を勝ち取るまでの流れを追っている。アジア解放という世界史の視点から見直せば、日本がまいた大東亜共栄圏のタネは着実に実っていると、日本人が誇るにたる歴史書の誕生といえよう。
zakzak by 夕刊フジ