『夕刊フジ』2016年4月29日付
若者向けにわかりやすく解説「教科書が絶対に教えない靖国神社」吉本貞昭著
日本の若い人に向けて、「靖国問題」のすべてを克明にわかりやすくまとめた1冊。
靖国神社は明治2年、明治維新のために戊辰戦争で斃(たお)れた兵士の顕彰・慰霊のために九段に創建された東京招魂社に始まる。その後、日清、日露戦争の戦没兵士も祀られた。アジアを植民地にしようと虎視眈々の西欧列強に対して、わずかの間に列強と肩を並べるまでに国力を伸ばした日本の原動力は、国民を天皇の下に一つにまとめられたからだ。その精神的支柱として、靖国神社の存在が大きかったと解説する。
戦後は危機の時代を迎える。GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による東京裁判で一方的に日本の“侵略”が裁かれ、世界に戦争犯罪を告発・喧伝された。だが、靖国神社に祀られているのは日本人ばかりではない。アジアを列強から解放する大東亜戦争を共に戦った台湾その他の諸外国の兵士も祀られている。だから、台湾、インドネシア、タイ、ミャンマー、カンボジア、ベトナム、インド…など、いまも日本に感謝し靖国神社を参拝する列が絶えない。
政治家の信念のない対応と一部メディアのこころない報道で、靖国参拝が悪のように印象づけられた。国のために戦った英霊を悼む当たり前のことを当たり前にできなくなった経緯も詳述。
若者が靖国を正しく理解すれば、日本は再生できると訴えている。
zakzak by 夕刊フジ